朝の目覚めに、仕事中のリフレッシュに、眠気覚ましになど、1日に何度もコーヒーを飲んでいる方は少なくないと思います。しかし、コーヒーは薄毛が気になる方は気をつけたい飲み物です。「コーヒーは薄毛を改善する」という噂がある一方、「コーヒーは薄毛の原因」という噂もあります。これらの噂は本当なのでしょうか。

DHTを排泄するというのは、嘘

男性型脱毛症(AGA)の原因物質といわれているものが、ジヒドロテストステロン(DHT)です。男性ホルモンのテストステロンが、5αリダクターゼという酵素の働きによってDHTに変換されます。DHTはAGAの部位で多く検出されています。HDTが男性ホルモン受容体にキャッチされてしまうと、脱毛を促進する特殊な因子が生まれてしまうのです。

コーヒーには利尿作用があります。DHTは最終的には尿と一緒に排泄されますが、尿の量が増えたからDHTの排泄量が増えるという科学的根拠はありません。コーヒーを飲むとDHTが排泄されて、薄毛の改善によいという噂は本当とはいえないでしょう。

ストレス解消で頭皮環境改善

健康な髪を育てるためには頭皮環境を健やかな状態に保つことが重要です。頭皮がかさついていたり、皮脂でべたついているようだと、髪の成長に悪影響を与えます。

ストレスは頭皮環境を悪化させる要因です。ストレスが高まると頭皮の皮脂分泌量が増えます。皮脂は毛穴をつまらせてしまい抜け毛を増やしたり、皮脂が酸化をしてできる過酸化脂質は頭皮にダメージを与えます。そのため、薄毛対策にはストレスをためないことが大切になります。

コーヒーにはストレスを軽減する働きが期待できます。この意味ではコーヒーの摂取によってストレスが軽減され、頭皮環境を健やかに保つこと期待できそうです。しかし、ストレス解消のために、1日に何杯もコーヒーを飲んでいるようだと、コーヒーによる頭皮環境改善は期待できません。

仕事をしているとさまざまなストレスを感じることでしょう。上司に叱られる、仕事でミスをする、部下の面倒を見なければならない、満員電車に乗らなければならない、いろいろなストレスがあるはずです。こういったストレスを解消するために、コーヒーを飲んでいる方もいると思います。しかし、コーヒーを何杯も飲んでいるとカフェインによる中毒症状が心配されます。カフェイン中毒を起こすと、頭痛、吐き気、嘔吐下痢、頻脈、不整脈といった身体症状や、興奮、イライラ、焦り、不眠、不安といった精神症状が現れます。

コーヒーを過剰に摂取することで、逆に体にとってはストレスとなる心配があります。つまり、コーヒーの飲み過ぎは頭皮によい影響を与えるとはいえません。

睡眠の質が低下

髪は寝ている間に、活発に成長をします。睡眠から2時間は成長ホルモンの分泌が活発になり、成長ホルモンの働きによって髪の成長が促されます。髪はケラチンというタンパク質で構成されていますが、成長ホルモンがタンパク質の合成を促進するためです。

コーヒーはカフェインを含む飲み物です。コーヒー粉末10gを150mlのお湯で抽出した場合、60mg~80mgのカフェインが含まれます。

カフェインには興奮作用があり、飲んだ後には気分がシャキッとします。コーヒーを飲んで気合を入れている方もいるのではないでしょうか。しかし、就寝前に摂取をすると睡眠の質を低下させます。カフェインが体内に滞在する時間は個人差があり、コーヒーを摂取してから6時間経ってもカフェインが残っている方もいます。人によっては昼間に飲んだコーヒーの影響が夜まで続いてしまうのです。

睡眠の質が低下をすれば、髪や頭皮に影響を与える心配があります。

欧州食品安全機関(EFSA)は、成人が摂取しても安全とみなしたカフェインの最大摂取量を設定しています。成人の場合は1日400mgまでです。コーヒーだったら、1日5杯程度までです。

亜鉛の吸収を阻害

髪の合成のためには、亜鉛が必要です。亜鉛は体内の多くの酵素の働きに関与しており、髪の成長にもかかわっています。亜鉛が不足をすれば、抜け毛が増えてしまいます

コーヒーには、タンニンという成分が含まれています。タンニンは多数のフェノール性水酸基をもつ芳香族化合物の総称で、植物に含まれています。

タンニンには亜鉛の吸収を阻害する作用があります。亜鉛が多い食品は、牡蠣、レバー、卵などですが、加工食品やインスタント食品などばかり食べていると不足をしがちです。もともと亜鉛が不足しているところに、コーヒーの摂取によって亜鉛の吸収が阻害されてしまうと、ますます亜鉛が不足をします。

亜鉛の不足は薄毛の原因となります。

まとめ

コーヒーにはリラックス作用が期待でき、それによって頭皮環境を整えることが期待できます。一方、カフェインによる睡眠の質の低下や、タンニンによる亜鉛の吸収阻害など、薄毛に影響を与える面もあります。

大切なことは、どの程度の量飲むのかということです。仕事中、リフレッシュや気合を入れるために飲むことがあるでしょう。飲み過ぎには気をつけて、上手にコーヒーと付き合うことが薄毛を予防するうえで大切です。

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